雪が多く積もる冬はハイキングはオフシーズン。そう私自身も今まで思っていましたが、冬にWanderlustに駆られてしまい、ヨーロッパでこの探検に対する強い欲望が赴くままにインターネットで探していると、ジョージアのメスティアを見つけました。
ジョージアというと、ノマドワーカーの中でもコスパが安い!ワインが美味しい!と数年前に話題となった国です。そのグルジアの北の方に位置するのがメスティア。なんかロード・オブ・ザ・リングの中つ国に出てきそうな名前ですが、冬のメスティアの街並みは本当に中つ国にあってもびっくりしないくらい素敵な雰囲気を持った街でした。
このブログでは、登山好きにおすすめの冬のメスティアの魅力についてシェアします。
目次:
メスティアについて
メスティアについての基本情報はインターネット上にたくさんあるので、このブログでは最低限の基本情報を箇条書きで。
ジョージア西部に位置。高度1,500mの高さにある街。
夏はもちろんのこと冬でも日帰り登山ができるコースがたくさんある。しかし、冬の場合はスノーシューが必須。
必要なものは全てある街!(スーパー、薬局、レストラン、バー、パン屋、かわいいわんこ!)
クタイシからメスティアへ
ジョージアへ飛行機で来る場合、主に二つの国際空港があります。首都のTbilisi(ティビリシ)とKutaisi(クタイシ)です。僕はポーランドのグダンスクに住んでいて直行便がクタイシまであったのでクタイシへ!クタイシ空港はとても綺麗で、最近できたかリノベーションがあったままだと思います。
空港の到着ロビーへ出ると、たくさんのタクシーのおっちゃんが「タクシ〜?」と押し寄せてきました。空港からはクタイシ市街へはシティバス(チケットカウンターはゲートを出てすぐ見つかります)がありますが、僕が着いたのは深夜近くということで、タクシーかシェアライドアプリしか手段がありませんでした、ジョージアはウーバーやリフトは使えず、Bolt, Yandex Taxiというアプリが主流のようです。カスタマーサービスのスタッフも、こういったシェアライドアプリを使うことをおすすめしてきました。
タクシードライバーのおっちゃんの一人がひつこく話しかけてきたので、Boltのアプリでの料金の画面を見せて、「ほら!こっちの方が安いじゃないか!」的なのりで交渉をしました。(英語をおっちゃん達は話すことができなかったですが、伝わったみたい。)
仕方なく感がありましたが、おっちゃんは当初の値段を落として、Boltと同じ値段で引き受けてくれることに!交渉成功!タクシーのおっちゃんはほぼ英語を話せないと思っておいた方がいいかもしれません。街中の人やバスの運転手もほとんどの人は英語を話せない印象でした。
しかし、ジェスチャーとスマホの画面をみせることで苦戦はしたものの自分達のairbnbの住所を伝えることができました。ジョージアの人たちの運転はクレイジーだとインターネット上では良く言われていますが、僕の経験は全く問題ない運転でした。
そんなことより本当に微々たる情報(ストリート名と番号)だけで場所がわかる、マップアプリなんて必要ないぜばりに運転をして目的地に辿り着くおっちゃんの知識に感激を受けました。
そしておっちゃんは良きセールスマンでもあります。
車に乗る時にトランクを開けると、ペットボトルに入ったワインを「ヴィノ?ヴィノ?」と売ってきました。ホームメイドだと言いたかったんだと思いましたが、さすがに1AM近くで疲れていたので、ごめんおじちゃんと断りました。
言い忘れましたが、クタイシ空港でSIMカードを購入することもできます。
いくつかオプションがありましたが、僕は magti というプロバイダーのSIMを選びましたが、都市からは離れたメスティアでも問題なく使用することができました。スピードも文句なし。
深夜1時近くにやっとAirbnbに着きましたが、なんとホストがまだ起きていて迎え入れてくれました。なんと優しい!明日の朝早くにはメスティア行きのMarshrutka(ミニバス)を見つけないといけないのですぐに寝ました。
Marshrutkaはジョージアで主にローカルが移動手段として安く便利で最もよく使われるものですが、旅行者も使うことが多いです。街中の移動だけではなく、メスティアの様なリモートなエリアに行くMarshrutkaもあります。
Marshrutkaには電車だったり幾つか行き方がある様だけど、Marshrutkaが一番安かったのでこれを選びました!
翌朝、タイムスケジュールもバス停もないと言われているMarshrutkaを見つけるチャレンジが始まりました。
メスティアに関するブログを読み漁ったのですが、タイムスケジュールというものが存在しないと書いてあってまさかな〜と思っていましたが、本当にありませんでした。
もちろんメスティアなど遠くに行くMarshrutkaは大体何時くらいに出発するという情報があったのですが、ブログによって時間が違うので少し心配になりました。グーグルで調査を続けていく中で確からしき情報をやっとみつけました。
メスティア行きは毎朝10時発。マクドナルド付近のバス停から出発。という情報を発見。マップで見てみると、クタイシ市街の中心地のマクドナルドがairbnbから近い!これに違いない!しかし、席が埋まった時点でバスは出発してしまうので注意。
この情報を得たので、僕達は早めに出発して、Marshrutkaらしきミニバスを発見!とりあえずメスティア!とだけ伝えると、乗れ!とジェスチャーで運転手が合図してきたので、信じて乗ることに。
Marshrutkaはバス停というよりは乗って来る人がいたり、乗客のリクエストに応じて所々フレキシブルに停まります。
ローカルは慣れているので、みんな自分が降りたいところをドライバーに伝えてそれに応じて停まります。
このままメスティアまで連れていってくれるには、所々停まりすぎだよなあと思っていたら、「バスステーション!」とドライバーが叫び、停めてくれました。なるほど!確かにマクドナルドの後ろだ!するとありました!バス停らしき建物?が!
みなさんは同じミスをしない様に、ぜひこのグーグルマップに従ってこのバス停を目指してみてください。朝10時と書かれていますが、夏はもっと早く出発する情報もインターネットでいくつかみかけたのでローカルに尋ねるのが一番です。ローカルでも知らない可能性ありですが、、
前回のモンテネグロトリップで車酔いしたので、今回は酔い止めをばっちり飲んでおきました。
それがよかったのか、5〜6時間のバス旅でしたが、ほとんどの間寝ることができて酔うこともなかったです。
休憩が2回ほどありました。僕ら以外に2人旅行者がいましたがそれ以外はローカル。この2人のチェコ人と話す機会もあって、2人はジョージアに数ヶ月住んでいたということ。Marshrutkaの良いところは、席に仕切りなどないので他の乗客と一緒にバス旅をしている感じを楽しめること。
ローカルの人たちは知らない人同士なのに、ビールをあげて一緒に飲んでいました。
メスティアに到着
メスティアに行く途中に多くの家の集合体?をたくさん通り過ぎましたが、どれも村にもいかないサイズでした。
なので、最初にメスティアを見た時は、「急にこの大きな村がでてきたなあ!」という印象でした。石造りの見張り用の塔がたくさんあって、冬ということであたりは雪で真っ白。スキー道具をもった旅行者がポツポツ歩き回っていました。
Marshrutkaを降りて予約していたairbnbへ向かいます。メスティアでも高い位置にあるairbnbでバルコニーから村の景色を楽しめる、最高の眺めでした。そしてホストもとても親切でまた次回も絶対ここを利用する予定にしています。
メスティアはたくさんレストランがあるので食にはこまらないかと思います。僕たちは人が多いレストランを避けたかったので、グーグルレビューで高評価のレストランに行ったけど、メスティアの旅行者全員がここにいるんじゃないかくらい忙しそうだったので、すぐに出て別の場所を選ぶことに。
メインストリートにあるローカル家族経営されているレストランを利用することに。結果的にここでほぼ毎日食事することになりました。
ホームメイドのジョージア料理は本当に美味しくて、スタッフも親切。他に客が来ないのが本当に不思議でしたが、それはそれでリラックスできてよかったです。
食べることを優先しすぎて写真をほとんど撮れなかったけど、いくつか残ってました!
またジョージア料理はベジタリアンフレンドリーなものが多い印象も受けました。
Day1:スノーシューに慣れる
よく言えばミニマリスト悪く言えばケチな僕の中に、ジョージアに来る前にある葛藤が生まれました。「本当にスノーシューが必要かいな?大きいし値段も安くはないし、もしかしたらなしでもいけんじゃ?」
いま思い返してみると、そんなケチな自分との葛藤に勝った自分にハイファイブをしてあげたいです。
スノーシューなしでは冬のメスティアでは全くハイキングができません。もちろん車などが通る道路を歩くことはできますが。
1日目は移動の疲れもあったのでゆっくり起きて初体験であるスノーシューに慣れることを目的に簡単そうなハイキングコースを歩きました。
Decathlonで購入した一番安いスノーシュー、それとアンクルゲーター(Vikingというブランド)そしてハイキングポール(Decathlon)という装備。スノーシューだけでなくこの2つのアイテムも準備していて本当によかったと思いました。
スノーシューはどんなハイキングシューズを履いていても、簡単にその上から履くことができます。
アンクルゲーターは雪が靴に入ってくるのを防いでくれるし、(ハイキングポールは膝にかかる負担を軽減してくれます。
僕の初めて履いて歩いてみた感想は、思った以上にきつい。おそらく僕の場合は通常の2倍くらいの登り時間がかかりました。
でももちろん嬉しいポイントもあります。登りがとても大変な代わりに、くだりはめちゃ楽しくとても早く降りることができました。雪があるおかげで夏のハイキングよりも降りるときは安全にも感じました。
もしこれから初めてスノーシューを履いてハイキングをする人にアドバイスを送るとすれば、”完璧にフィットするシューズの上からスノーシューを履く”ということです。
それって当たり前じゃん!という人もいるかもしれませんが、きっと僕と同じように試し履きをせずにオンラインショップなどでハイキングシューズを買った人もいるかもしれません。
僕も実際購入して少しだけ大きかったけど、紐を縛れば全然気にならない程度でした。
実際のところ今までこのシューズでたくさんの山を登ってきましたし、とても足に慣れていました。
しかし、スノーシューを履いた場合は違いました。かかと部分が大きく動く仕組みになっているので、ベースとなるシューズに隙間があると毎回摩擦が生まれていまいます。そのため僕の両踵はすり減ってしまいました。。
葛藤
実は当初Mestiaに来た理由はMestia - Ushguliという55.8kmの数日間をかけて歩くトレイルに興味があったからでした。
夏のシーズンではとても人気なトレイルで、ゴール地点のUshguliはヨーロッパで一番高度にある村としても有名です。
そもそも冬にできるのか?トレイルは開いているのか?インターネットでその情報を見つけようとしても見つかりませんでした。
現地に来てローカルに聞くと、「雪が多すぎて無理」の一言。ただ過去の経験上、ローカルの人の意見は100%正しいとは限らないということもわかっています。
今まで一度も数日間をかけて村から村へのハイキングをしたことがなかったので、とてもチャレンジしたい気持ちと、初の雪の中でのハイキングなので思いもよらないアクシデントが起きるかも?という気持ちでMestia - Ushguli出発予定の前夜までずーっと悩んでいました。
悩んだ結果、Mestia - Ushguliにはチャレンジせず、Mestiaに滞在することにしました。
後から振り返ってみるとMestiaの村から行える冬のトレイルもたくさんあったので結果的に滞在してよかったと感じました。
Ushguli村へのタクシーを使ってもいくことができるようですが、また温かくなった時期にMestia - Ushguliトレイルを挑戦してみます。
Mestiaからできる冬のハイキング
1. Chalaadi Glacier :1,944m
24.19km
661m 高度ゲイン
7時間
夏は綺麗な氷河が見えるトレイルですが、冬は残念ながら雪が覆われて見えませんでした。しかし山の間を歩くトレイルで冬はほぼ誰もおらず神秘的なハイキングとなりました。
トレイルスタート地点までまあまああるので、Mestiaからスタート地点まで車でいくのもありかも。
2. Hatsvali :2,345m
20.95km
1,118m 高度ゲイン
7時間29分
Mestiaの街を見下ろすスキー場へ登っていくトレイル。神秘的な冬のMestiaの街を一望できます。
スキー場をコースを歩いていくことになるので、スキーをしている人とぶつからないように歩く必要があります。
スキー場をハイキングしていて怒られるかな?と思ったのですが、全く問題ないようです。
時間が許せばMentashi、Zuruldiというピークにも挑戦できます。
確か午後4時までスキーリフトもあります。
3. Koruldi Lakes :2,827m
17km
1,300m 高度ゲイン
6時間48分
おそらく夏はMestiaからできるハイキングで難易度も高く人気もあるトレイル。ローカルが口を揃えて冬は無理だ、と言っていましたが、全然大丈夫でした。
もちろん肝心の池は雪に積もってしまって見えなかったですが、半分以上が山肌を歩くトレイルなので、きついですがその間周りの山の景色が見えて最高です。
途中に山小屋もあるので、古屋の中で休憩もできます。
Koruldi Lakesの先にまだピークがあるので、夏にまた挑戦したいです。
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