急成長中のアートとデザインの街・再生都市ウッチを探訪
- ptakuyap15
- 9月8日
- 読了時間: 6分
更新日:10月2日

ポーランドに初めて来る人の多くはワルシャワやクラクフといった街を訪れる人が多いですが、ポーランド人の間でも最近注目を浴びている急成長しているクリエイティブなカルチャーの街が「ウッチ(Łodź)」です。
かつては「ポーランドのマンチェスター」と呼ばれるほど繊維工業が発展した街でしたが、工業都市特有の廃墟化と社会問題の深刻化が原因で、「最も醜い都市」と呼ばれるほど衰退してしまいました。
しかし近年はそんな廃工場の街並みを活かしながら、緑とアート・音楽が溢れる、魅力的な再生都市へと生まれ変わったのです。
そんな「ポーランドで最もクリエイティブな再生都市」ウッチの魅力をお届けします。
1.ウッチ(Łódź)ってどんな街?

過去の工業都市ならではの街並みを再生した施設やアート、映画学校、デザイン・音楽フェスで知られる「創造都市」です。
街を歩いていて至るところにアートを見つけることができて、街歩きをするだけでも楽しいです。
また、工業都市だったため公園が街の至るところにあり、緑あふれる街でもあります。

ポーランドの中心地にあり、東京から直行便が飛んでいるポーランドの首都「ワルシャワ」からも鉄道で1時間ちょっとで着いたり、
ポーランド北側の海、南側の山脈地帯にもアクセスしやすいのも魅力的です。
ゆっくりのんびり楽しみたい場合は、3日滞在をおすすめですが、主要なスポットは1日でも回ることができるくらいサイズ感もちょうどよいです。
ちなみにポーランド語で「ウッチ」とは船という意味です。
2.ウッチのみどころ紹介
中心地をただふらふら歩いていても、お洒落なお店やストリートアートを見つけることができるので楽しいですが、私のおすすめを紹介します。定番スポットからマニマックなスポットまで。
2.1. ピョトルコフスカ通り(Ulica Piotrkowska)

4.2kmも続くウッチのメインストリート。自由広場と独立広場の間の直線を縦方向に走っていて、まるで絵画のようなカラフルで美しいアール・ヌーヴォーの街並みが続きます。
年間を通して音楽やアートイベントも開催されているようです。
ウッチだけに限ったことではなく、ポーランドのどの都市も道にゴミが落ちてなくて西ヨーロッパの国々と比べてとても綺麗なところも好きです。

2.2. どこにでもある中庭が幻想的な空間に。「ローザ・パッセージ(Pasaż Róży)」

建物と建物の中庭が観光スポットとなった通称「ローザ・パッセージ」。
元々は暗かった中庭をいろんな形の鏡の破片で覆うことで、明るく幻想的なアートにしちゃったんだからびっくり!

この名前の由来となった「Róża(ローザ)」はアーティストのジョアンナ・ラヨフスカの娘さんの名前だそうです。ローザさんは幼少期に目のガンを患い、その闘病・回復のプロセスが本作品に織り込まれているそうです。

2.3. 体にも優しいユニークで可愛い洋服が見つかる「パン・トゥ・ニエ・スタウ(Pan Tu Nie Stał)」

繊維工業の中心地だった「ウッチ」には、今でもこの職人文化を引き継ぐデザイナーが多数います。
「パン・トゥ・ニエ・スタウ(Pan Tu Nie Stał)*以下PTNS」はレトロポップなデザイン、高品質、体にやさしい素材、そしてデザインから製造までポーランドで行う地元生産にこだわる人気のブランドです。



Tシャツやフーディー、ジョガーパンツやショーパン、女性用ドレスから
靴下や帽子、そしてマグカップやタオルなどの小物類まで、どのアイテムもポーランドらしいユーモアがこもったデザインです。
女性用・男性用だけでなく、子供用の服もあるので、家族でお買い物をする人たちも多く見受けられました。

そしてカフェも併設されてあるのでコーヒー目当てで訪れても良いと思います。コーヒーもおいしかったです。

パズルやボードゲームもあるので、くつろげるタイプのカフェでした。もちろん犬も大歓迎されますよ。

私たちも休憩がてらパズルで遊んじゃいました。


ちなみにこれはポーランド版ピザ「ツェブラジュ(Cebularz)」でした。難しかった(笑)。
2.4. イケてる雰囲気の赤煉瓦建物「オフ・ピョトルコフスカ・センター(OFF Piotrkowska Center)」

ウッチのメインストリート ピョトルコフスカ通りの南側にある旧工場跡地が、いまでは若者とクリエイターの拠点になったのが、「OFF(オフ)」。
ローカルデザイナーのアトリエやスタートアップ企業のオフィス、小規模ブランドのショップなどが入った建物もあるのですが、
1階は世界各国の料理が楽しめる人気スポット(ベトナム料理、ビーガンカフェ、クラフトビールバーなど)にもなっていて、天気が良い日はおしゃれなテラス席で食事もよさそうです。


2.5. 工場から街へ!未来を描く複合都市空間「フジャ(Fuzja)」

19世紀の工場跡地をレトロな外観を活かしながら、住宅・オフィス・商業施設・緑豊かな広場が揃う複合都市空間にしちゃったのが「フジャ」。
先ほど紹介した「オフ」が若者やアーティストが集うストリート感溢れるイケてるなエリアだとすれば、
「フジャ」は小さな子供がいる家族にもフレンドリーで綺麗なエリアです。

私たちが訪れたのは週末の朝だったのですが、ちょうど広場でヨガが行われた後のようでした。こんなオシャレ場所で、気持ちのいい天気の中のヨガは最高だったでしょう。


オシャレなレストランやカフェがあるだけでなく、リクライニングチェアがたくさんあって誰でもくつろげるようになっています。

まだまだ開発途中の部分もあるので、これからももっともっと盛り上がっていきそうです。
特に目的もなく歩いてみるだけでもとても見応えがあるエリアでした。

また次回訪れた時には新たな施設も増えてそうで楽しみです。
2.6. ウッチに来たなら必ず食べたい「 ウッチャ・ザレヴァイカ(Łódzka zalewajka)」

ウッチ地方の名物といえば、「ウッチャ・ザレヴァイカ」という酸味のあるスープです。
ポーランド全土で親しまれる「ジュレック(Żurek)」に似ているのですが、ザレヴァイカの方があっさり酸味でじゃがいもや乾燥キノコ主役のスープになるようです。
ジュレック大好きな私にとっては、正直そんなに大きな違いは感じられませんでしたが(笑)美味しくいただきました。

私たちがザレヴァイカを食べたのは「Bistro na Kilińskiego」というミルクバーでしたが、コトレット・スハボーヴィなどその他のポーランド料理もとても美味しかったです。
ただし、レビューを見る限り英語は伝わらないかもしれません、、、。


























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