海外で日本人として生活すると気づく、日本では分からなかった強み
- 2月23日
- 読了時間: 5分

「日本人っぽい。」「日本人って本当に親切だよね。」ニュージーランドのホテルで働いていた頃、外国人の同僚たちに毎日言われていた言葉だ。私が勤務していたのは、アオラキ・・マウント・クック国立公園にある、ザ・ハーミテージ・ホテル。ここには毎日、多くの日本人観光客が訪れる。レセプショニストとして働いた経験を通して、日本にいる間は気づいていなかった「日本人の良さ」に気づくことができた。もちろん、日本人が他の国の人より優れていると言いたいわけではない。ただ「日本人らしさ」つまり、私たち日本人の根幹にあるものへ新たな感謝の気持ちが芽生えたのだ。

私はステレオタイプが嫌いだ。「この国の人はいつもこうだ」「男はみんなこうだ」「あの人はこういう人だ」
実際に話したり、一緒に時間を過ごしたりする前から人を判断するのは、すごくもったいない。とはいえ正直に言うと、私自身も国籍を理由に特定の国の宿泊客について同僚に愚痴を言ってしまうことがあった。しかし、日本人について耳にするのは良いことばかりだったのだ。
「日本人の恥の文化」=日本のマナー?

言うまでもなく、日本のマナーや礼儀は世界的に高い評価を受けている。レストランに行けば、日本人客のいるテーブルはすぐに分かる。いつもきれいで静か。公共の場で大声を出したり、騒いだりすることはほとんどない。列に割り込むこともない。他国の宿泊客と比べると、日本人のマナーの基準レベルはものすごく高い。日本のマナーは、「恥の文化」と密接に関係しているのではないかと私は考える。「人前で〜するのは恥ずかしい。」「そんな格好は恥ずかしい。」「そんな振る舞いは恥ずかしい。」子どもの頃、よく言われなかっただろうか?外国人の友人からは「日本人はシャイすぎる。」「人目を気にしすぎる。」という批判もよく聞く。確かにネガティブに聞こえるが、考えに考えた結果、私はこう思うようになった。日本人の「恥の意識」が、世界的に評価される日本のマナーを生み出しているのではないか、と。
日本人は「自意識過剰」なのではなく、「他者意識が高い」――つまり周囲への配慮が強い。だから結果として控えめ(シャイ)に見えるのではないだろうか。こう言い替えるとずっとポジティブに聞こえないだろうか?
現在、ポーランドに住んでいる私は、ポーランド人と比べても、(ポーランド人が考える必要以上に)周りを気にしすぎていたことを、ポーランド人に指摘された気がついたこともある。
日本人はチップを渡さないけど…

「見てくれよ!日本人のおばあちゃんがこれをくれたんだ!」体格の大きなニュージーランド人の同僚が、満面の笑みで折り鶴を見せてくれた。荷物を運ぶのを手伝ったお礼としてもらったそうだ。これはほんの一例で、日本人の宿泊客から日本のお菓子やステッカー、キーホルダーなどの小さな贈り物をもらったという話を同僚から何度も聞いたことがある。共通していたのは、みんな満面の笑みでそのプレゼントを見つめていたこと。普通にチップをもらったときには見られない光景だ。正直、日本人の私だったら「この折り紙どうしよう…」「(お菓子の場合は)別の味の方がいいな。」と思ってしまうかもしれない。でも日本文化をあまり知らない人にとっては、こうした贈り物はお金以上の価値を持つようだ。そんなこんなで、オフィスにはたくさんの折り鶴が飾られていた。
考えてみれば、折り紙やお菓子はとてもパーソナルで、思い出が宿りやすいものだ。友達に見せたくなるのも分かる。
驚いたことに、日本人以外の宿泊客がチップの代わりに小さな贈り物をくれることは、映画『ホーム・アローン』のケビン以外ほとんど聞いたことがない。とてもシンプルな発想だが、意外と誰も思いつかないのかもしれない。次にホテルに泊まるときは、ベルボーイにお金の代わりに小さなプレゼントを渡してみてはいかがだろうか?
日本人は客としてだけでなく…

ホテルには個人旅行客(FIT)だけでなく、団体客も多く宿泊していた。宿泊客のほぼ半数は団体と言ってもいいほど。団体には必ずツアーリーダーがいて、私たちにとって彼らとの連携はとても重要。団体客の多くは英語を話せないからだ。私たちが一番好きだったのは、日本人のツアーリーダー。準備が行き届いていて責任感が強く、他国のツアーリーダーとの違いに驚くほどだった。例えば、三品のコース料理を提供するレストランでは、業務を円滑にするために事前注文(プリオーダー)をお願いしていた。日本の団体は到着前にほぼ必ず注文が完了していたが、他の団体には何度も催促する必要があった。こうした協力のおかげで、レストランスタッフも気持ちよくサービスを提供できた。
また、日本人スタッフの働きぶりにも皆が感心していた。「ロボットみたいにミスがなく無駄もない。」と評されるほど。彼女は、日本人に対する良いイメージをさらに強めていたのだ。レストランマネージャーが冗談で「スタッフが全員日本人だったら最高なのに」とつぶやいていたのを今でも覚えている。
まとめ
海外で働き、立派に振る舞ってきた先人たちがいたからこそ、私たちは日本人であることを誇りに思えるのだと心から感じている。海外で生活する日本人として、その素晴らしい評判を守り、受け継いでいく責任があるとも思う。そして何より、私は日本人であることを本当に嬉しく思っている。


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