言語学習アプリの問題点と、より効果的な学び方
- ptakuyap15
- 6月25日
- 読了時間: 3分

Duolingoをはじめとする言語学習アプリの人気はますます高まっています。私自身もかつてポーランド語を学ぶためにこうしたアプリを活用していた時期がありました。しかし、使っていくうちに「これって本当に効率的なのか?」と疑問を感じるようになりました。
この記事では、言語学習アプリの限界と、より効果的だと感じた学習方法をご紹介します。
言語学習アプリの限界1:触れる単語の量が少ない

言語習得のカギは「単語との接触回数」です。研究によると、1つの単語を本当に覚えるには、20回はその単語に触れる必要があると言われています。
そして、ある程度会話ができるようになるには、約5,000語の語彙が必要。つまり、5,000語 × 20回 = 100,000回のインプットが求められるわけです。
この100,000回というのは、たとえば400ページの本に匹敵するほどの分量。しかし、言語アプリでは、単語を1語ずつ入力したり選んだりといった作業が中心で、テンポが遅く、1日に触れられる語数は限られています。
言語学習アプリの限界2:文脈がない
言語を覚えるには「文脈」が重要です。ただ単語を暗記するだけでなく、その単語がどう使われるかを知ることで、記憶にも定着しやすくなります。
しかし、言語アプリの多くは「トムは工場で働いています」など、実生活とかけ離れた例文が出てきます。興味も持てず、学習も続きません。
より効果的な学習法:生きた言葉に触れる

私がいま取り入れているのは、YouTubeの「Easy Language」シリーズです。これは実際に街の人にインタビューしている動画で、自然な会話が聞けるうえ、学習する言語と英語の両方の字幕が表示されるので非常に学習しやすいです。
例えば、「Easy Polish」では、ポーランドの街角で「1日にどのくらい働きますか?」とか「どんなコーヒーが好きですか?」などの質問するので、生の会話に触れられます。1本の動画に使われる語数は約1,600語。1日1本見るだけでも、十分なインプットになります。
学習理論にも裏付けられた方法
この「生の会話から学ぶ」という方法は、スティーブン・クラッシェン氏による「インプット仮説(Input Hypothesis)」という言語学習理論にも裏付けられています。
彼によると、学習者が「自分のレベルより少し難しい内容」に自然な形で触れることが、最も効率的な習得につながるとされています。
映画やドラマも有効

私がもう一つ活用しているのが、既に内容を知っている映画を学習言語で見る方法です。たとえば、私は「ロード・オブ・ザ・リング」をポーランド語音声+英語字幕で観ました。内容を知っているため、知らない単語が出てきても文脈で推測でき、学習効果が高まります。
まとめ:アプリが悪いわけではないが…
もちろん、言語アプリにも良い点はあります。ゲーム感覚で楽しめたり、スキマ時間に気軽に使えるのは大きな魅力です。でも、「本当に話せるようになりたい」「聞き取れるようになりたい」のであれば、より実践的で文脈のあるコンテンツに触れる学習法が必要です。
「アプリが合わないかも」と感じている方は、ぜひ今回紹介したようなビデオ教材や映画などを取り入れてみてください。無料で利用できるものも多く、楽しみながら学べるはずです。
Comments