冬のザコパネ登山ガイド|雪のタトラ山脈で楽しむ絶景ハイキングと観光情報
- ptakuyap15
- 2022年3月11日
- 読了時間: 6分
更新日:10月8日

ポーランドとスロバキア国境に位置するタトラ山岳地帯は、夏冬問わず多くのハイカーが訪れる人気のエリアです。そのタトラで冬にハイキングを楽しんだ経験をブログにまとめました。
1.ザコパネ(Zakopane)について

ザコパネはタトラ山地の麓にある美しい街で、晴れた日には街中からもタトラ山脈の景色を望めます。
アクセスも良く、中心街にはショッピングモールや有名ブランド店が立ち並び、予想以上に発展していました。レストランやバーに加え、病院や携帯会社も揃っており、生活にも便利そうです。ただし、家賃は他の地域に比べてやや高めのようなので、要調査です。
ザコパネについてはこちらのブログでも紹介しています。
また、ザコパネは「Mountain People」と呼ばれるゴラル人の文化が色濃く残る街でもあります。
ゴラル人独特の方言、民族衣装、音楽、ダンスに触れることができるでしょう。木造家屋が多く、私好みの雰囲気を持つ街でした。

今回もAirbnbを利用しましたが、ザコパネ郊外にある家を選びました。バス停やレストラン、スーパーマーケットなどからは距離がありますが、トレイルからは近く、静か。
このAirbnbの家のキッチンの冷蔵庫には、ポーランドの中でも海に近いエリアの観光地マグネットがたくさん貼ってありました。

山から見たザコパネの街
山が大好きな僕が「こんな美しい山に囲まれたザコパネで生まれ育ったなんて、羨ましい。」というと、
渋い顔をして「私は海が好きだから、定期的に海やビーチのある街に行くことを楽しみにしている。」と答えました。
よく人はないものねだりをすると言いますが、僕もそうだと感じました。

日本にいる時は「ニュージーランドに戻りたい〜」と思っていたかと思いきや、ニュージーランドの国立公園内に住み初めると「刺激が足りない。日本の生活もいいよな〜」と思っていた経験があります。
自分もザコパネに住み始めたらそんなふうに思っちゃうのかな〜と感じてしまいました。
2.冬のタトラ山脈でおすすめのトレイル
冬のタトラ山脈を歩くなら、アイゼンやスノーシューはほぼ必須です。早ければ9月の終わりには雪が積もることもあるので、天気予報をチェックしてしっかり準備しておきましょう。
2.1.シュヴィニツァ (2,301m)
Świnica

距離:22.5km
高度ゲイン:1,462m
時間:7:00
水が組める場所:なし
All Trail のリンク▶︎
冬の間、Kasprowy Wierch(カスポヴィ・ヴィエルフ)はスキーリゾートとして多くの人で賑わいます。ここまでは比較的なだらかな傾斜が続き、ロープウェイを使えば簡単に頂上まで上がれることに驚かされました。
時間を節約したい人は、ロープウェイを使ってカスポヴィ・ヴィエルフまで行き、そこからハイキングを始めるのもアリかもしれません。料金は往復で139ズウォティ(およそ5,200円)。
一方で、登山ルート自体は意外と静かで、人の少ない雪山の景色をゆっくりと楽しむことができました。

ロープウェイを降りたあたりは少し人が多く、にぎやかな雰囲気でした。周りにはレストランやカフェ、水汲み場もあり、休憩するにはちょうどいい場所です。

カスポヴィ・ヴィエルフを越えると、登山道は一変します。山肌に沿って進む細いトレイルが続き、場所によっては傾斜も急になり、慎重な足運びが求められます。


シュヴィニツァに近づくほど、冬の厳しさと美しさを感じる迫力ある写真が撮れます。

シュヴィニツァを目指して進んでいたところ、通りかかったレンジャーから「ここから先はピッケルが必要」と忠告を受けました。スノーシューでは狭い山肌を進むのは危険だとのことでした。

風は次第に強まり、スノーシューだけでは前へ進むのが難しくなってきます。目の前にそびえるシュヴィニツァの雄姿を前に、無理をせず引き返すことを決断しました。
ピッケルとアイゼンを装備し、グループでシュヴィニツァを登っていく登山者たちの姿を見て、私もいつか本格的なマウンテニアリングに挑戦してみたいという気持ちが芽生えました。
2.2.チャルニ スタヴ ガンシェニツォヴィ
Czarny Staw Gąsienicowy

距離:21.87km
高度ゲイン:803m
時間:5:30
水が組める場所:なし
All Trail のリンク▶︎
チャルニ・スタヴ・ガンシェニツォヴィは、標高約1,620mに位置する美しい山上の湖です。
ザコパネの街から比較的アクセスしやすく、多くの登山者が麓のKuźnice(クジニツェ)から歩き始めます。

道中には広々としたHala Gąsienicowa(ガンシェニツ平原)が広がり、木々の間から山々が見えてくるたびにテンションが上がります。
湖までは、のんびり歩いても数時間ほどの気持ちの良いハイキングコースです。
湖があるところすごく開けているので、とても良い写真が撮れるはずが、風がとても強かったです。

背後にはKościelec(コシチェレツ)やŚwinica(シュヴィニツァ)がそびえ立ち、まるで絵画の中に入り込んだような美しい景色が広がります。

湖面は厚い氷に覆われ、上を歩けるほどに凍りつきます。静まり返った雪景色の中、凍った湖の上を歩く体験はまさに幻想的でした。風がめちゃくちゃ強かったですが(笑)

タトラ山脈の登山ルートが交わる分岐点としても有名です。湖でひと息ついたあと、さらに上を目指すこともでき、Zawrat(ザヴラト峠)やŚwinica(シュヴィニツァ)へのルートは特に人気があります。
私たちも湖の向こうに見える山へ登りたい気持ちに駆られましたが、今回は装備が足りず断念しました。それでも、湖畔から見上げる雪山の姿は圧巻で、次はしっかり準備をして再チャレンジしたいと思えるほど魅力的な場所でした。
2.3.サルニャ スカワ

1や2で紹介したトレイルに比べると、Sarnia Skała(サルニャ・スカワ)は短くて歩きやすいコースです。

標高1,377メートルの小高い岩峰で、初心者から中級者まで気軽に楽しめるトレイルとして人気があります。歩きやすいのに、しっかりと絶景を味わえるのがこのルートの魅力です。
頂上にたどり着くと、タトラ山脈の壮大なパノラマが目の前に広がります。特に印象的なのは、Giewont(ギェヴォント山)の姿。

冬の時期は、最後の岩場に向かう道が少し急になり、雪や氷で滑りやすくなるので注意が必要です。登山者の多くが慎重に登っていましたが、やはり何人かはツルッと滑っていました。
Sarnia Skałaへは、タトラ国立公園内のKuźnice(クジニツェ)やDolina Białego(ドリナ・ビャウェゴ)など、いくつかのルートからアクセスできます。
なかでも人気なのは、Dolina Strążyska(ドリナ・ストジョンスカ谷)を通り、途中でSiklawica(シクラヴィツァの滝)を訪れるコース。ちょうどいい運動量で、初めてタトラ山を歩く人にもおすすめです。


























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