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グダニスク観光で絶対外せない!「連帯博物館」でポーランド民主化の歴史を学ぶ


solidarność

ポーランド北部のバルト海に面したグダニスクは、ポーランドにとって非常に重要な都市です。ここから第2次世界大戦が始まり、また東ヨーロッパの自由を求める「連帯運動(ポーランド語でソリダルノスチ)」が発祥しました。


グダニスク観光の際には、ぜひ「連帯博物館(European Solidarity Centre)」を訪れてください。日本で育った私たちにとって民主主義は当たり前ですが、そのために戦った人々の歴史は決して忘れてはならないものです。


この記事では、「連帯博物館」の魅力や見どころ、訪問時のポイントを詳しく紹介します。










博物館の概要

・開館時間:10:00~19:00(夏季) / 10:00~17:00(冬季) ※週末は +1時間延長 ・休館日:火曜日(冬季シーズンのみ / 10月~4月) ・入館料:35PLN(約1,313円) ・所要時間:目安として約2時間から3時間 ・おすすめの人:歴史好きな方、ヨーロッパの近現代史に興味がある方 ・施設情報:館内にはレストランやカフェがあり、コートや荷物を預けるクロークも完備。持参した水やお菓子の飲食も可能。 ・公式ウェブサイト:https://ecs.gda.pl/en/




連帯運動とは?

連帯(Solidarność)」運動は、1980年代にポーランドで起こった労働者を中心とする民主化運動であり、最終的に共産主義政権の崩壊へとつながった歴史的な出来事です。


ソ連共産主義
赤がソ連の影響を受けていた当時の共産主義国家

ポーランドの成功が他の東欧諸国にも影響を与え、1989年の「ベルリンの壁崩壊」やチェコスロバキアの「ビロード革命」にも繋がりました。また最終的にソ連崩壊(1991年)の引き金となり、東西冷戦の終結にも貢献しました。



グダニスク観光ではずせない「連帯博物館」のみどころ


1)連帯博物館の外観:産業遺産を感じるモダンなデザイン

モダンなデザイン

連帯博物館の魅力は館内だけではありません。 その外観も非常に印象的 で、訪れる人の目を引きます。


まず目に入るのは、 赤茶色の鋼板で覆われたインダストリアルなデザイン。このサビ加工された鋼板は、かつてグダニスクの造船所で働いていた労働者たちを象徴しており、 「連帯」運動の舞台となった歴史的背景 を反映しています。


さらに、 館内に入る前の広場には「連帯」運動に関連する記念碑 が点在しており、訪れる前からポーランドの歴史を感じられる空間となっています。


建物の周囲には 緑地やベンチが設置 され、展示を観る前後にゆったりと休憩することも可能です。

記念碑
日本から送られた記念碑も

2)モダンで美しいロビー


美しいロビー
緑がたくさんあります

館内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが 広々とした美しいロビー


このロビーは、 スチールとガラスを融合させた近未来的なデザイン になっており、開放感あふれる空間が特徴です。壁にはサビ加工された鉄板が使われており、これは 造船業の街・グダニスクの歴史と労働者の闘争を象徴 しています。


さらに、館内には 自然光を取り込む大きな窓 が設置され、昼間は柔らかな光が差し込み、温かみのある雰囲気を演出しています。館内にあるカフェや書店もこのロビーからアクセスできるため、展示を観る前後にゆっくりと過ごすのにも最適な空間です。



3)まるでタイムスリップ!「連帯」運動を目撃しているかのような没入型デザイン



館内のA~G各部屋は時系列に沿って設計されており、音声ガイドに従うことで1980年代のポーランドにタイムスリップしたような体験ができます。


連帯博物館 音声ガイド
残念ながら日本語はありません


また館内のデザインは、 実際に「連帯」運動が起こった造船所の雰囲気を忠実に再現。薄暗い照明、スチール製の構造、壁に残された労働者たちのメッセージなど、まるでストライキが今まさに起こっているかのようなリアルな空間が広がっています。



造船所
天井には造船所で働く人々がつけていたヘルメットが


当時の一般家庭の部屋
当時の一般家庭の部屋

一般家庭の部屋があり、ソファに座ることができます。テレビではプロパガンダが流れ、ラジオからはドイツから外の世界の様子が伝えられていました。



尋問の部屋
尋問の部屋

当時の写真
牢屋に入れられてしまった実際の人々の写真

当時の写真、映像、音声、手紙に加え、銃弾の痕が残るジャケットなど、生々しい歴史を物語る展示が並んでいます。


中でも圧巻なのは、自由のために戦い、捕らえられた人々の写真が壁一面に展示されたエリアです。その中には幼い子供の姿もありました。


連帯運動を支えたのは労働者だけではありません。ユースグループ、政治家、学生、キリスト教団体など、さまざまな立場の人々が危険を顧みず、それぞれの方法で自由を求めて戦いました。その熱意と覚悟を感じる展示に、人間の底力を改めて実感しました。


共産主義下のポーランド
今私が住んでいる同じ国だとは思えないような過去に衝撃を受けました。

普段、博物館で感動することはあまりないのですが、連帯博物館では心を大きく動かされました。特に印象的だったのは、共産主義下のポーランドで自由を求めて戦う人々を、世界中から支援していた様子を展示したセクションです。


その中には、なんと東京での活動の記録もしっかりと展示されていました。当時、日本からも連帯運動を支える声があったことを知り、改めてその影響の大きさを実感しました。


また、最後から2つ目の部屋では、訪問者がメッセージを残せるスペースがあります。赤と白のメッセージノートを使い、連帯運動のスローガンであった「Solidarność(連帯)」が大きな壁一面に刻まれています。


私も日本語でメッセージを書かせていただきました。訪れた際には、ぜひあなたの想いも残してみてください。

壁一面のメッセージ
壁一面に飾られたメッセージ

メッセージ



グダニスクから博物館へのアクセス


所在地:Plac Solidarności 1, 80-863 Gdańsk, Poland


グダニスク中央駅(Gdańsk Główny)から徒歩約15分なので歩いてくることをおすすめします。


solidarność
遠くからでもよく見える

Europejskie Centrum Solidarności
看板も出ています

ベルリンの壁
街中に寄与されたベルリンの壁の一部も

stocznia
ここが入り口。

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