『エッセンシャル思考』要約と実践|Yesを減らして本当に重要なことに集中する方法
- 2021年10月27日
- 読了時間: 11分
更新日:3月5日

子どもの頃に観たジム・キャリー主演の映画「Yesマン」の影響もあり、私は長い間「とりあえずYes」と答えることを良しとしてきた。実際、20代まではそれで多くのチャンスを得られた。しかし30代に入り、「本当にすべてにYesでいいのか?」と疑問を持つようになった。そんなとき出会ったのが、グレッグ・マキューンの著書「エッセンシャル思考」だ。Yesの基準と物事の選び方を大きく変えてくれた。
エッセンシャル思考の基本:すべてには限りがある・「トレードオフの現実」を受け入れる

時間・体力・リソースなど、全てには限りがあるという現実は、当たり前のことのようで、受け入れることができない人が多い。あと数分で会議が始まるというのにEメールの返信を始めたり、15時までミーティングがあるのに、15時からの友達のイベントへ行く、返事をしたり。どうすれば両方できるのかと考えてしまいがちだ。エッセンシャリズムな考え方は何をしないかを常に考えること。つまりは、全てを行うことはできないという現実を受け入れる必要がある。”経営戦略の神様”と呼ばれる、ハーバード大学MBA教授のマイケル・ポーターさんの名言にも「戦略とは”何をしないか”を選ぶことである。」というものがある。この考え方をベースにすると、全てがトレードオフであるということに気づくだろう。何かをすることで、何かができなくなる。何かをしないことで、他の何かができるようになる。自分さえもっと頑張れば、任されたタスク全てをこなすことができる、という非現実的な考えから抜け出すことが必要だ。
Yesの危険性
何事に対しても「Yes」と答えることがデフォルトになっている人が多い。Yesと答える人の方がいつもNoと言う人より好印象なイメージがあるからだろう。また、Noと答えることでチャンスを見逃す、という考えが一般的だ。私自身もよく仕事が終わった後にとても疲れているのに友達から誘われて、行きたくないが、なぜか行かないと良い出会いや楽しい時間を見逃すことになりそう、そんな感覚からついYesと答えてしまうことがよくあった。結局は行ってみて対したことも起きず行かなければ良かったと後悔した経験も多々ある。このような現象を英語ではFOMO (Fear of missing out)とも呼ぶ。しかしここで注目したいのが、「Yes」と答えることで見逃していることもある、ということだ。「No」と答えることで、しっかりとした睡眠ができ次の日にとてもいい気分になれたかもしれない。あるいは家で読みたかった本が読めたかもしれない。全てがトレードオフなのだ。またこの本で印象的だったのは、Yesからやってくる良いチャンスも時には諦めなければいけない、ということだ。なぜなら、全てには限りがあるからだ。良いチャンスを全てものにすること自体が不可能なのだ。これを受け入れないといけない。
なぜNoというのが難しいのか?

分かっているけど難しいのが、「No」という一言。「No」と言うことが本当に居心地悪く感じてしまう。これはあなたの意志が弱いからなのだろうか?いや、あなたが人間だからだ。あなたの脳がこのように感じさせているのだ。私たち人間は原始人の時代から集団で生き延びてくることができた生き物だ。現代では、食べ物や飲み物は一人でもコンビニに行けば手に入れることができるが、原始人の時代では、集団から嫌われて省かれてぼっちになることは生存の危機に関わることだったのだ。そのため、他者とうまく付き合うことを優先するように人間はプログラミングされているのだ。こういった現実があるからといって、「Yes」と答えることで、明日、1週間後、1年後に後悔するのか?それとも「No」と答えて、この一瞬だけの嫌な気持ちに耐えるのか?むしろ丁寧に「No」と断ることで、相手があなたに尊敬の意を持つことだってありうるのではないか。
Hell Yeah !! or No.
トレードオフの現実とYesの危険性を受け入れることができたなら、Yesのハードルを上げてしまうのも一つの手かもしれない。Hell yeah !! (100% Yes)でないもの以外は全てNoと答えるのはどうだろうか?私自身の過去の経験でも多くあるのが、友達から誘われた時に迷うことがある。迷った結果、”こんな機会は滅多にないし”といった理由で、Yes、と答えることがある。その結果行ってみていかなければよかった、と感じることが結構あった。100% Yes ! と感じない限り全てNoと答える。100% Yes ! とはどんな時?これはきっと誰しもが経験したことがあると思う。直感的にYesと答える時だ。もちろんYesと答えないことで何かを見逃すかもしれないが、これも受け入れる必要がある。答えに悩むことに時間を費やしすぎたり、あるいは無理矢理Yesと答え、無理にその誘いを受けたことは相手にも伝わってしまう。そうすることで返って相手の気分を害してしまう可能性も大きい。"Hell Yeah ! or No"ルールを取り入れることでこういったことが解消される。
考える時間を守る

あれやって。これやって。これに来ない。あれチェックした?テクノロジーの発達でいつでもどこにいても他者があなたの頭にリーチできるようになってしまった。ものすごいスピードで情報と依頼が流れ込んでくるので、これに着いていこうとすると、Yesと瞬時に答えることがデフォルトになってしまう。そうなってしまうと、本当に自分が行なっていることがエッセンシャル(かけがえのない)なことなのか、それを考えることをやめてしまう。つまりはデフォルトで生きていることになる。
毎日時間がないと嘆いているにも関わらず、毎日1時間、2時間も時間を費やしていることが果たして本当に必要なことなのかどうかを考えることもしない。生産性の低いミーティングに参加することに疑問を持たない人も多いはずだ。なぜ?と聞くと、いつも行なっているから、定例だから、という答えをする人も多いはずだ。メール、LINEなど外部からの障害フリーで自分と対話をする時間、考える時間を守る必要がある。考える形は何だっていい。温かいお風呂に浸かったり、ランニングしたり。私の場合は朝、あるいは夕方に歩いたり、走ったりする時間を必ず持つようにしている。歩きながら、仕事・プライベートのことを考える。たくさんの仕事をしているのに、なぜか前に進んでいない感じ。そんなフラストレーションが溜まっている、そんな日だったなあと感じた時に、なぜかなあとふと振り返ると、この考える時間を疎かにしていた場合がほとんどだ。
すぐにコミットする前に他のオプションについても考える
仕事であれ、何かを買うときであれ、恋愛であっても、やってきたチャンスにすぐに飛びつき100%コミットをしてしまうパターンが多いかと思います。
誰かに頼まれたから、というシンプルな理由で本当に自分にとってかけがえのないものなのかどうかを考察することできず、結果的に後悔することが多いです。途中で気づいても、時間を費やしたので、という気持ちからやめることも難しいです。
Essentialistはそうでない人と比べて、100%コミットをする前により多くのオプションを考察します。
サンクコストバイアス(Sunk Cost Bias)

「No」というだけではなく、自分にとってエッセンシャルなものではないこと、ものを切り捨てることも必要です。
退屈でつまらない映画なのに途中で止めることができず最後まで観たり、
これから絶対に着ることはない洋服を捨てることができなかったり、
タクシーを呼ばずなかなかこないバスや電車をずーっと待ち続けたり、
数年間付き合っている彼氏・彼女と明らかにうまくいっていないのに、今まで長年費やした時間のことを考えて、別れることを切り出せなかったり、
多大な時間とリソースを使ったプロジェクト、明らかにうまくいっていないのに、何も根拠もなくうまくいくと信じて中止することができなかったり、
このように、今まで費やしたコストのことを考え、合理的な判断ができなくなること
を「Sunk Cost Bias(サンクコストバイアス)」といいます。
簡単に言い換えると、もったいない心理といえるかもしれませんね。
自動化(オートメーション)

自動化(オートメーション)を上手く取り入れることで、自分にとってessentialなことに使える時間をより多く持てるようになります。
明らかな自動化はロボットやAIなどのテクノロジーを使ったオートメーション。ロボット掃除機や洗濯機など。
シンプルなタスクで何度も自分が繰り返し行っていることに気づいたら、それを自動化できないか、常に考える癖を持つと良いと思います。
1番代表的な例が、FAQ(Frequently Asked Questions : よくある質問)
何度もよく聞かれる質問があるなあと気づいたらウェブサイトなどにFAQという項目を作ってそこに答えを記載する。
または友達に自分の住んでいる地域のおすすめを教えて!という質問をよく受けるようであれば、おすすめをリストにしてブログにしてしまうとか。
または教育やトレーニングの面でも、新スタッフのトレーニングで何度も同じことを新スタッフが入るたびに教えていて毎回自分の時間が取られていると気づいたら、トレーニング内容をビデオにとってそれをみてもらうとか。
日常の様々なところで自動化可能な場面があります。
自動化を助けてくれるようなサービスもたくさんあります。
ズームの複雑なURLリンクを1日に何度もいろんな人に送っている。
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aTextという、テキスト置き換えソフトウェアを利用し、「aaaa」とタイプするとズームの会議URLが自動でタイプされる。
「会議ができる候補日をいくつか教えてください。」と聞かれ、毎回自分のカレンダーを見比べて、候補日を伝えて、、というプロセスに時間を取られていると気づいたら、
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「アイテマス」というサービスを使い、相手に自分カレンダーから会議日を指定もらうようにする。
ほとんどの繰り返しをオートメートするサービスはこの世に存在します。
テクノロジーを使うことだけがオートメーションだけでなく、他の人にやらせる、ということもオートメーションです。
まずは明らかな例は、引越し屋さんを雇って家具などを郵送するのもオートメーション。
自分でやろうとすると何時間もかかるものをお金という代価と交換にやってもらう。仕事でグラフィックデザイナーにデザインを依頼する。
これだけではなく、常にレスを追求する上で役に立つ考え方は、周りにやってもらうように上手く引き出すことです。
会議で1番に手をあげて、私がやります!となんでもかんでも引き受けるのではなく、まずはじっと待って観察する。自分の部下がオーナーシップを持ってやります!と立候補してくれるまで待つ。
全てにMVP(Minimal Viable Product)の考え方を適応する
MVP(実用最小限の製品)という考え方は、Eric Riesさんの「リーンスタートアップ」という本を通してスタートアップ界隈を始め、ビジネス界で拡まりまった考え方です。
新しいビジネスや商品のアイデアがあったら、しっかりと時間と労力をかけて完璧だと満足できる状態にしてから顧客のもとに届けるのではなく、アイデアを提供する上で必要最小限の機能のみを持つ、もっともシンプルな状態で顧客に届けるという考え方です。
時間や労力といったコストを最小限に抑えて、コアなアイデアだけを顧客に体験してもらい、そのコアなアイデアに対する顧客からのフィードバックを集め、製品開発に役立ていきます。
この考え方を仕事だけではなく、健康や人間関係など全ての場面で応用していくことでエッセンシャルでないことに時間や労力を取られすぎることを防ぐことができます。
例えば、仲の良い友達が登山を始めたと聞いてあなたも登山に興味を持ち始めたとします。
週末に登山に行くことに決めました。周りのみんながそうしているからという理由で、まずはしっかりと登山靴と登山用の洋服を買って、アウトドアショップで登山用の食べ物も購入しました。
そして遠いけど2時間かけて友達がいっていた山に行くことにします。
このようにお金と時間をかけて登山に行ったのは良いものの、自分がイメージしていたものと全く違うことに開始20分で気づき始めました。
「登山なんてこなければよかった。。」
結局あなたは登頂することもなく、早めに帰宅することに。そしてこの登山靴を履くことは2度とありませんでした。
もしあなたがMVPな考え方をとるとすれば、
通常履いているスポーツシューズとウェアでいいので、とりあえず近くの山を登ってみる。そうすることで、「自分は登山が好きかも知れない」というアイデアを必要最小限の状態で試すことができます。
エッセンシャル思考の危険性と落とし穴
エッセンシャル思考は非常に強力な考え方だが、誤って実践すると人間関係やキャリアに悪影響を与える可能性もある。例えば、誘いや依頼を断ることが自分は他人より優れているというエゴが強くなってしまい孤立してしまうことだ。特に新入社員時代、ある団体に新しいメンバーとして参加したての頃は、人間関係構築を疎かにすることは長い目で見て非常に危険だ。仕事の種類にもよるが、ほとんどの職種で共通することだろう。特に日本のように協調性が重視される社会では、成果を出したいのであれば避けては通れないものだ。
これ以外にも紹介できなかった素晴らしいアイデアが紹介されている「エッセンシャル思考」ぜひ読んでみてください。



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