クラクフ観光|何度訪れても飽きない、ポーランド第二の都市の歩き方
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更新日:1 日前

クラクフは私にとって「通り道の街」だ。ザコパネやビエシュチャディへ向かうとき、途中で一泊してから翌朝また移動する。そういう使い方を2022年から何度も繰り返してきた。それでも毎回「またここに来てよかった」と思わせてくれる街が、クラクフだ。通過するだけでも十分に楽しめて、じっくり滞在したらもっと楽しめる。そんな街はなかなかない。
クラクフへのアクセス
グディニャ・グダニスク方面からはPKP(ポーランド国鉄)の電車が便利だ。直通の特急列車(EIC/EIP)が運行していて、所要時間はおおよそ5〜6時間ほど。車窓からポーランドの平野が延々と続く景色を眺めながら移動するのも悪くない。ワルシャワからも同じくPKPの特急列車で約2時間半〜3時間ほどでアクセスできる。ポーランドの主要都市間は鉄道網が充実しているので、どこから来ても移動しやすい。チケットはPKPの公式サイトまたはアプリから予約できる。早めに予約するほど安く買えるので、旅程が決まったら早めに動くのがおすすめ。*ただしチケットが買えるようになるのは1ヶ月前から。
クラクフ中央駅(Kraków Główny)は旧市街から徒歩10〜15分ほどの距離にあり、到着してすぐに観光に入れるのもいい。
クラクフの主な観光スポット
ヴァヴェル城

クラクフといえばヴァヴェル城(Zamek Wawelski)だ。ヴィスワ川を見下ろす丘の上に建つこの城は、かつてのポーランド王国の王宮だった場所で、街のどこからでも見上げることができる。
内部の博物館は有料だが、城の中庭まではいつでも入ることができる。石畳の中庭に立つと不思議な静けさがあって、城下の観光客の喧騒とは別世界のような空気が漂っている。
中央広場と時計台

クラクフの中央広場(Rynek Główny)は、ヨーロッパ最大級の中世の広場のひとつとして知られている。広さがとにかくすごくて、初めて立ったときは思わず見回してしまった。
広場の中央には織物会館(Sukiennice)が立ち、その脇に時計台(Wieża Ratuszowa)がある。時計台は内部にも入れて、上から広場を見下ろすこともできる。
広場全体が開けていて歩きやすい。カフェのテラス席でコーヒーを飲みながら人の流れを眺めているだけで時間が過ぎる。そういう場所だ。

ひとつ知っておくと面白いのが、広場に面して建つ聖マリア教会の塔から毎正時に鳴り響くトランペットの音色だ。メロディは途中で突然プツッと終わる。最初は演奏ミスかと思うが、これには理由がある。
13世紀、クラクフがモンゴル軍に襲撃された際、塔の上から市民に危険を知らせようとトランペットを吹いていた衛兵が、敵の矢に喉を射られて絶命した。その衛兵の犠牲を700年以上にわたって語り継ぐために、今もあえて途中で終わる演奏が続けられているのだという。
知らずに聞けば少し不思議な気分になるが、背景を知ってから聞くと全然違う感覚になる。広場で時間が合えばぜひ耳を傾けてみてほしい。

ヴァヴェルのドラゴン像
ヴァヴェル城の麓、ヴィスワ川沿いにあるのがドラゴン像(Smok Wawelski)だ。ポーランドの有名な伝説に登場するクラクフのドラゴンをモチーフにした像で、定期的に口から実際に炎を吹き出す。
観光スポットとしてはこじんまりしているが、炎が出る瞬間は周りの人たちが一斉に反応して面白い。子供連れのファミリーに特に人気があって、家族旅行の記念写真スポットとしても定番になっている。
Schindler's List Passage(シンドラーのリスト ゆかりの地)

映画『シンドラーのリスト』(1993年)の舞台となったのがクラクフだ。スティーヴン・スピルバーグが実際にクラクフでロケを行ったことは有名で、今もその痕跡が街に残っている。
カジミエシュ地区のユダヤ人街は映画の主要な舞台のひとつだ。博物館に入ったわけではなく、ただその路地を歩いただけだったが、それだけで十分だった。当時の街並みがそのまま残っている石畳の路地を歩いた。なぜかこの地区だけクラクフの騒音が聞こえず静かだった。
観光スポットとして訪れるというより、あの時代に何があったのかを静かに感じる場所だと思う。映画を事前に観てから歩くと、見え方がまるで違う。クラクフに来るなら一度観てから訪れることをすすめたい。

街歩きの魅力|中世の街並みをただ歩く

クラクフの一番の魅力は何かと聞かれたら「街そのもの」と答えると思う。
第二次世界大戦で多くの建物が破壊されたワルシャワとは対照的に、クラクフの旧市街はほぼ当時のままの形で残っている。石畳の路地を歩くと何百年も前の建築がそのままそこにあって、歴史の層の上を歩いている感覚がある。
ガイドブック通りに名所を回るより、地図をあまり見ずにぶらぶらするのが私のクラクフの楽しみ方だ。角を曲がるたびに小さな教会や中庭が出てきて、それだけで散歩が成立する。
クラクフのベーグル(オブヴァジャネク)

実はクラクフはベーグル発祥の地とも言われている。街なかの屋台で売られている輪っか型のパン「オブヴァジャネク(Obwarzanek)」がその原型だ。
私も道端の屋台で買って歩きながら食べた。ゴマやケシの実がまぶされていてシンプルな味わいだが、これがなぜかクラクフの街並みに妙に合う。観光地のソフトクリームを食べるような感覚に近い。
値段も安く、小腹が空いたときの定番スナックとして地元の人にも愛されている。クラクフに来たら一度は試してほしい。
クラクフで行ったカフェ·レストラン
Busz Cafe

植物好きにはたまらないカフェ。店内とテラス席に溢れんばかりの植物があるカフェ。「Busz」とはジャングルという意味なのだが、その名の通りまるでジャングルのような落ち着いた空間のカフェ。コーヒーの質もそこそこよかった。観光地の喧騒から少し離れた場所にあるので、旅の疲れをリセットしたいときにちょうどいい。地元の人の比率が高く、自分もクラクフで暮らしているような気分になれる場所だ。

Camelot Cafe

Buszとはまったく違う雰囲気のカフェ。内装がクラシカルで重厚感があり、アンティークな空間の中でケーキとコーヒーを楽しめる。クラクフらしい歴史ある雰囲気を体験したいなら外せない一軒。旧市街の中心部からすぐのところにある。
Tawerna Wilczy Dół

中世のクラクフにタイムスリップを味わえる地下にあるレストラン。洞窟の中のような環境でウェイタレスも中世の衣装を着ていて雰囲気満点。まるでポーランドのダークファンタジー「The Witcher(ウィッチャー)」の世界。注文システムも中世インスパイアされたコインを使って注文するシステム。肉料理を中心に伝統的なポーランド料理が揃っていて、ボリュームも満点。
クリスマスシーズンのクラクフ

2025年のクリスマスシーズンにも訪れたが、これが予想以上によかった。中央広場にクリスマスマーケットが立ち並び、大きなクリスマスツリーが広場のど真ん中にドンと置かれている。ライトアップされた広場は昼間とは別の顔を見せてくれた。ウィーンやプラハのクリスマスマーケットほど混んでいないのも個人的にはよかった点だ。広場が広いのでどこからでも見渡せるし、屋台を回りながらグジャーニェ(ホットワイン)を飲む余裕がある。プッシュされていないポーランドのクリスマスシーズン、かなりおすすめだ。


クラクフを拠点に行ける場所
クラクフが便利なのは観光地としてだけでなく、ポーランド南部を旅するときの拠点としても優秀なことだ。私が実際にクラクフを経由して訪れた場所をいくつか挙げておく。
ザコパネ

タトラ山脈の麓にあるリゾート地。クラクフから車で約2時間、バスでも行ける。山岳ハイキングの拠点として最適な場所だ。
ビエシュチャディ

ポーランド東端に広がる山岳地帯。人が少なく自然が豊かで、トレイルランニングやハイキングが好きな人に強くすすめたいエリア。
ビェルスコ=ビャワ(Bielsko-Biała)

スロバキア国境に近い街。観光地化されておらず地元の生活感があり、周辺のベスキディ山地へのアクセス拠点にもなる。
クラクフに一泊しながらこれらのエリアを組み合わせると、ポーランドの南半分をぐるっと旅する本格的なルートが作れる。
まとめ|何度でも立ち寄りたい街

クラクフは「目的地」としても「通過地」としても成立する稀有な街だと思っている。
歴史的な街並みを歩くだけで一日使えるし、南部旅行の起点として一泊するだけでも十分に満足感がある。ワルシャワとは違うポーランドを感じたいなら、クラクフは外せない。
グダニスクやグディニャからも電車一本でアクセスできる。ポーランドに住んでいる私でも年に何度か足を運んでしまう街だ。まだ行ったことがないという日本の方には、ぜひ一度訪れてみてほしい。
























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