【ポーランド生活日記03】: グディニャ・ウルトラウェイ27km完走記。雪の中のトレラン大会。
- 1月31日
- 読了時間: 6分
更新日:4 時間前

ここ16年で一番寒い冬を迎えたポーランドで先日、「Gdynia Ultraway Winter Trail/グディニャ・ウルトラウェイ・ウィンタートレイル」というトレイルランニングの大会に参加してきた。雪で真っ白に染まったグディニャの森を27km駆け抜けた。今回はそんな体験をまとめていきたいと思う。
ポーランドのトレラン大会:グディニャ・ウルトラウェイとはどんな大会?

グディニャ・ウルトラウェイは, グダニスクの北に位置するGdynia(グディニャ)を拠点に年2回開催されるトレイルランニングフェスティバルだ。ウィンターレースが1月、サマーレースが6月に行われる。
北カシュビ地方を舞台にしたトレイルレースで、冬は10kmから76km, 夏は14kmから160kmまでと距離のバリエーションが豊富に用意されている。今回参加したのは2026年1月18日に開催されたウィンターレースで, 「Pół Dzika」と呼ばれる27.16kmの部門だ。標高ゲインは1,373m, タイムリミットは6時間。他にも10.67km、54.27km、76.70km、そして100.66kmと様々な距離の部門も用意されている。そしてこれはUTMBインデックス対象の大会でもある。UTMBに向けてポイントを貯めたいランナーにも魅力的な大会だ。スタート・フィニッシュ地点はグディニャのスポーツセンター、ナショナルラグビースタジアムだ。

なぜ出ることにしたのか
UTMBを観るのがここ数年好きになって、いつか自分も走ってみたいなあと思い始めていた今日この頃。UTMBには認定大会でポイントを貯めていく仕組みがある。ポーランドにも対象大会が意外と多く、前回秋に走ったポメラニアウルトラトレイルもポイントが授与されていた。そしてこのグディニャ・ウルトラウェイもポイント対象。しかも自分が住んでいる街で、普段走り慣れているエリアがコースになっている。これはやるしかないと軽い気持ちでサインアップした。
不安だらけのスタート前

年末年始の旅行でほとんど準備ができなかった上に、もう一つ大きな不安があった。ITバンドシンドローム。ランナーにはおなじみの問題で、膝の外側からふくらはぎにかけて走っている途中で痛くなるやつだ。過去に何度も悔しい思いをしてきた。さらに大会1〜2週間前に上半身の筋トレをしたら今度は右足まで痛くなってしまった。もう返金期限も切れてる。こうなったら「参加証だけもらってDNFでもいいか、参加費はどうせ払っちゃってるし。」くらいの気持ちで当日を迎えることにした。とはいえ出るからには完走したい。調べた結果、こういった痛みがある場合はランニングタイツより半ズボンの方が足への締め付けや熱のこもりが少なくて良いらしい。ChatGPTに相談したら「それはグッドアイデアだね」みたいな返事をもらったので、テーピングをしてショーツで一度練習走をしたところ意外と悪くなかった。そのまま本番もそのスタイルで行くことにした。
トレッキングポール, 持ってきて大正解

今回の装備で一番の正解だったのがトレッキングポールだ。登山を始めた頃はトレッキングポールに懐疑的だった。「こんなの使ってると遅くなる。ハイキングには不要だ」と思っていた時期もある。長距離トレッキングをいくつか経験する中で、膝への負担がいかに大きく軽減されるかを体感した。距離が長くなればなるほど, その効果も大きくなる。今回も予想通り、20kmを過ぎたあたりでいつものITバンドの痛みが出てきた。でもトレッキングポールのおかげで, 走る時も歩く時もしっかり前に進み続けることができた。痛みと上手く付き合いながら完走できたのは、間違いなくこの道具のおかげだ。
レースの雰囲気


気温はマイナス2度ほど。雪の中のレースだ。最後尾でスタートして、ゆっくりゆっくり進みながら徐々に人を抜いていくスタイルにした。周りを見ると本当にいろんな人が参加していて、街の売店にいそうなおばちゃん2人組がずっとおしゃべりしながら走っていたり、途中で電話がかかってきて「今トレラン中だから話せないよ」と言いながらめちゃくちゃ話し続けている人がいたり。そのトーク力には圧倒された。コースの道迷いの心配はほぼない。オレンジのテープが枝にかなり細かい間隔で貼ってあって, 看板も随所に出ているので、吹雪になってもおそらく問題ないレベルだ。
後半は自然と一人になる時間が増えていった。雪の上を踏みしめるザクザクという音だけが聞こえる世界。イヤホンも音楽も一切使わず、その感覚をそのまま楽しみながら27kmを走り切った。
エイドの充実度がすごい

27km部門でエイドは1か所のみだったが、内容が充実していた。テントの外には焚き火まで出ていて、しっかり暖を取れるようになっている。食べ物も豪華で、ポーランドの揚げドーナツ「ポンチキ」はジャムやカスタードがたっぷり入っていて本当においしくて6個食べてしまった。ポーランドのソーセージ「キェウバサ」、バナナ、チョコレートなども並んでいた。
フォトグラファーと参加賞

日本のトレラン大会には出たことがないので比べられないが、このレースにもフォトグラファーがいて、レース中やゴール後に一人一人の写真を撮ってくれる。それが後日Facebookにまとめてアップロードされて、好きにダウンロードしていいよというスタイルだ。(と思う。)こういう文化はすごく嬉しい。
参加賞もなかなかで, ポーランドのコスメブランド「Jaya」のボディソープ、ノンアルコールビール、チョコレートなどをもらった。ゴール後はポーランド料理とビールも無料で振る舞われていた。
この大会に出るか迷っている人へ
いくつか参考になりそうなことを書いておく。
寒さについて: マイナス2度で5時間走り続けてもニット帽と手袋さえあれば半ズボンでいける。基本的には多くの人が長ズボンやタイツだが。もともと寒い地域で生活している人なら、思っているよりずっと大丈夫だ。ただし、エイドで立ち止まると一気に汗冷えするので、止まりすぎには注意。
装備について: シューズはソールがトレラン仕様でかつ通気性が良く乾きやすいものが個人的には好み。ゴアテックスは好みによるが, 寒い環境なら防水より速乾を優先する選択肢もあり。ザックやウェアはデカトロンのものをよく使っているが, 価格のわりにクオリティが十分で重宝している。
トイレについて: フルマラソンのようなトイレ待ちはない。コース外で各自対処するスタイルなので、そこは気楽といえば気楽だ。
距離選びについて: フルマラソンを完走できる脚力があれば, 27kmで十分楽しめると思う。10kmは正直少し物足りなく感じるかも。
次に向けて
グディニャウルトラウェイにはサマートレイルもあるので, またエントリーしたいと思っている。ただその前にまず, このITバンドシンドロームをちゃんとケアしなくてはいけない。インスタグラムでITバンド向けのトレーニングをたくさん見つけたので, しばらくはそれを地道に続けて, 痛みなく20kmを自信を持って走れるようになることを目標にしていきたい。雪の中の27kmはすごく楽しかった。また走りたい。



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