
ポーランド南部に位置するザコパネは、タトラ山脈にある山岳リゾート地です。日本人にはあまり知られていないかもしれませんが、夏には登山、冬にはスキーや冬の登山を楽しむ観光客に人気があります。スロバキアとの国境にあるこのタトラ山脈は、スイスやイタリアの山岳地帯に行くよりも良いかもしれません。
このザコパネとタトラ山脈の夏の魅力をブログ記事にまとめました。
ザコパネの基本情報
ザコパネは、ポーランド南部タトラ山脈のふもとにある人気の山岳リゾート地です。登山やハイキング、スキーなどのアウトドアスポーツが豊富で、自然美あふれる絶景が楽しめます。伝統的な木造建築や民芸品、温泉も魅力のひとつです。
ポーランドとスロバキアの国境近くに位置し、標高約800メートルの高さにあります。タトラ山脈自体は、ほとんどがスロバキアの領土になります。

山岳リゾート地なので、ホリデー時期(夏の7月から8月、冬のクリスマスシーズン)はポーランド内の旅行客もめちゃめちゃ多いので、もっと人混みを避けて登山などを楽しみたい方は、ビエスチャディやカルコノシェなど別の山岳エリアをお勧めします。
ちなみに、タトラ山脈国立公園内では、基本的に犬はNG。ポーランドのほとんどの山岳地帯では、犬がオーケー。なのに、ここだけダメ。ただし 1部を除いて。
また一言にザコパネ・タトラ山脈といってもとても大きな範囲になります。なので数回に分けて訪れても楽しめるエリアです。

交通手段・アクセス(バス、車、列車)
私はポーランド一番北のグディニャに住んでいますが、最近、グディニャからザコパネまで列車1本で行けるようになりました。列車は(バスよりは)遅れにくく快適なので、いつも利用しています。ただし、夏や冬のホリデーシーズンは非常に混み合うため、早めのチケット予約をおすすめします。チケット予約はこちら。
参考までにクラクフからザコパネへのアクセス
列車
所要時間は約3時間〜3時間30分で、料金は片道40〜70 PLN(約1,200〜2,100円)です。列車は快適で、景色を楽しみながら移動するのに適しています。ただし、バスに比べて本数が少ないため、事前に時刻表を確認することをおすすめします。
バス
クラクフのバスステーション(MDAバスステーション)からザコパネ行きの直行バスが出ています。所要時間は約2時間30分〜3時間で、料金は片道約20〜30 PLN(約800〜1200円)です。バスは頻繁に運行されており、旅行の時間帯によって選ぶことができます。
車
クラクフからザコパネまでは約110kmの距離があり、車での移動時間は約2時間〜2時間30分です。主要な高速道路を利用するため、運転に慣れている方には便利な選択肢です。レンタカーを利用する場合、道路状況や交通量によって若干時間が前後することがあります。
タトラ国立公園・タトラ山脈の入園料金
タトラ山脈は国立公園なので入園料が必要です。
主要な登山道に入り口にはチケット購入カウンターがあるのですが、ない場所もあります。
その場合はオンライン購入もできるので、スマホですませることもできます。
公式サイトから購入可能です。
おすすめスポット
カフェ:
本格的スペシャリティーコーヒーを楽しみたいなら、ここ。お店の雰囲気もいいですし、店員もフレンドリーで優しい。ここで飲んだフラットホワイトはめっちゃおいしかったです。ポーランド内のイケてるカフェが焙煎した豆も購入できます。



宿泊施設・ホテル(民泊): Apartamenty & Pokoje MyWy

タトラ国立公園から300mのApartamenty & Pokoje MyWyは、純粋に登山を1番の楽しみにザコパネに来た人におすすめです。
私はシャワーとトイレ付きのプライベートのロフトの付きの部屋に泊まりました。
庭、無料専用駐車場、テラス、共用キッチンなども提供されていてるだけでなく、なんとコーヒーメーカーまであり、コーヒー好きにはピッタリのホテルでした。
夜遅く到着したにもかかわらず、ホストが温かく迎えてくれ、自宅のようにくつろぐことができました。彼女のもてなしのおかげで本当にリラックスできました。(オーナーの息子さんが日本に住まれているということで、日本にも親しみを持ってくれている方でした。)
騒音に敏感な私でも、隣に他の宿泊客がいてもぐっすり熟睡できました。建物自体も新しく清潔でした。
私が利用したのは2024年夏でしたが、めちゃめちゃコスパよい宿泊施設でした。
注意点として、ザコパネの中心街から徒歩で30分以上かかるため、歩くのが苦手な方は駅からここまで来るのが大変かもしれません。
さらに、近くにスーパーマーケットがないため、到着したらすぐに中心街で必要なものを買ってからホテルに向かうことをおすすめします。
ザコパネ名物「Oscypek(オスツィペック)」
ザコパネの屋台でよく見かけるのが、タトラ山脈の伝統的な燻製チーズ「オスツィペック」。

樽みたいな形してますね。
羊乳から作られ、塩辛く弾力があります。ビールのおつまみにぴったりで、焼いてクランベリーソースと一緒に食べる食べ方も人気。私もこの食べ方が一番好きです!
おすすめのトレイル(登山コース)
ザコパネ・タトラ山脈は広範囲のため、1つの宿泊施設から全てのトレイルにアクセスするのは難しいです。おすすめは、複数回訪れるか、宿泊場所を変えながら登山を楽しむ方法です。時間があれば長期滞在も検討してください。
Giewont(ギエヴォント):中級者向け

ギエヴォントは、標高1,894メートルの山でザコパネの象徴とも言われるくらい一番人気なトレイルです。「眠れる騎士」とも呼ばれ、地元の伝説や宗教的な象徴として知られています。その山々の形は横たわる人間のように見えると言われています。(確かに言われてみればそうかな、、)
山頂には高さ約15メートルの鉄十字が立ち、1901年に設置され、ポーランドのキリスト教信仰の象徴とされています。この鉄十字はポーランドのいろんな山の山頂でよくみかけますね。いつも思うけど、誰がどうやって建てたのだろうと感心します。
ルートもいくつかありますが、基本的に夏なら初心者でも挑戦しやすいですが、登山道の終盤には、岩場を鎖を使って登る箇所があり、スリル満点の体験が楽しめます。ただし、山頂周辺は狭く、混雑するのが少し残念。
それでもトレイルの後半は山の斜面を歩くので、景色は最高です!


2.Morskie Oko (モルスキエ・オコ):初心者向け

モルスキエ・オコはポーランド屈指の美しい湖で、「海の目」を意味する標高1,395メートルの氷河湖です。湖の背景にはポーランド最高峰リシー山(2,503メートル)がそびえ、天気がいい時には湖面にその姿が映る神秘的な景色が楽しめます。
ザコパネからはバスや車で駐車場まで行き、そこから8キロのコンクリート道を歩く必要がありますが、道中は観光客が多く静かな雰囲気ではありません。
バスの本数はまあまあありましたが、大きなバスではないのでチケットをオンラインで購入することをおすすめします。バス乗り場はここ。15分前にはバス停で待つようにしましょう。
湖に到着すると周囲にトレイルがあり、左側に進むと傾斜のある丘があります。そこを登れば湖を見下ろす絶景が楽しめるのでおすすめです。

登っていくとさらに山の溝に水が溜まってできたTarn(山中の湖)もあるのでそこも神秘的です。

もちろんここから山に登ることもできますが、帰りのバスの時間をチェックすることも忘れずに。
3.Kasprowy Wierch(カスプロヴィ・ヴィエルフ):初心者向け*ロープウェイを使わない場合は中級者向け

カスプロヴィ・ヴィエルフ (Kasprowy Wierch) は、標高1,987メートルの山です。
ロープウェイで山頂まで行き、山頂を歩き回ることができます。
晴れた日にはポーランドとスロバキアの壮大な景色を楽しむことができます。



アクセスとロープウェイ
クズニツェ (Kuźnice) から出発するロープウェイが便利です。このロープウェイは1936年に建設され、乗車時間は約20分で、途中の景色もなかなかなものです。料金は往復で139ズウォティ(およそ5,200円)なので安くはないですが、価値はあります。
季節や天候により異なりますが、通常は朝8時頃から夕方まで運行していて、オンラインで事前予約もできるようです。私が行ったのはちょうど繁忙期の終わりくらいでしたが、すんなり乗れました。
もちろんロープウェイを使わずに登ることもできます。大体3時間くらいのようです。

ドリナ・ホホウォフスカ (Dolina Chochołowska)は、広大な自然美と静けさが美しい谷です。羊などもいるのでメルヘンな風景でも知られています。そしてタトラ山脈で唯一犬オッケーな場所でもあります!
アクセス
最寄りの駐車場はシヴァ・ポロナ (Siwa Polana) で、谷の入り口にアクセス可能です。シェロニツァへはザコパネから車で約30分。徒歩でもアクセスでき、道はコンクリートではないため快適でした。

山岳ルートとの接続
ドリナ・ホホウォフスカは他のハイキングコースともつながっており、周辺の高峰や湖を目指すアクティブなハイカーにも最適です。実際私も物足りず、ここから山へと登っていきました。

ドリナ・ホホウォフスカの見どころ
谷の奥には、ホホウォフスカ小屋と呼ばれるマウンテンハットがあります。ここでは、地元料理や飲み物を楽しみながら休憩できます。冬には暖かいスープ、夏には冷たいビールが人気です。
2. 伝統的な木造建築
谷には、ポーランドの伝統的な木造建築が点在しており、牧歌的な雰囲気を醸し出しています。これらは、かつての山岳生活の名残であり、フォトジェニックなスポットとしても有名です。
そのほかにも登山上級者向けのトレイルも多くあります。
こちらのブログでトレイルをいくつか紹介しているので、参考にしてみてください。
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