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『最強の成長術』感想|バーンアウトせずに成長し続ける方法

  • ptakuyap15
  • 2022年6月15日
  • 読了時間: 12分

更新日:4 日前


最強の成長術

日本はこれまで世界に誇れるものを多く輩出してきました。ところが誇ることができないものも中にはあります。その一つがKaroshi(過労死)です。最もよく使われる英語の辞書 the Oxford English Dictionaryにも2002年に追加されました。


毎年日本では10,000人が過労死しているといわれています。満員電車1両が300人と言われているので、満員電車33両分以上の人が死んでいることになります。


残念ながら、過労死の犠牲者は日本に限らず、世界的な重要な問題となっています。世界保健機関によると、2016年には74万5千人が過労死しました。


どうしたら、仕事や運動でバーンアウト(燃え尽きる)することなく、成長を続けることができるでしょうか?


そんな課題の答えを求めていったの、元ビジネスマンと元スポーツアスリートが書いた本が「Peak Performance(日本語名:最強の成長術


このブログはこの本を読んで私が学んだことをシェアします。






1.ストレス + リカバリー = 成長

リカバリー

「働く・遊ぶ・休むのバランスが大切」とよく言われますが、本書が繰り返し強調するのは 休養こそが成長の一部 だという点です。


筋トレを例にすると分かりやすいですが、筋肉はトレーニング中ではなく、休息中に修復・成長します。これは身体だけでなく、脳やスキルにも当てはまります。


問題は、身体は休んでいても、脳は休めていない ケースが非常に多いことです。



2.なぜメンタルの休息が必要なのか

スマホをいつも使っている

1990年代、社会心理学者ロイ・バウマイスターは「人はなぜ考え事をすると疲れるのか」を調べる実験を行いました。


被験者を2グループに分け、片方にはクッキー、もう片方には大根を与えます。その後、解けないパズルに挑戦してもらいました。


結果は明確でした。


・大根グループ:8分でギブアップ(平均19回挑戦)

・クッキーグループ:20分継続(平均33回挑戦)


この実験が示すのは、脳は身体的エネルギーと精神的エネルギーを区別しない という事実です。


「休んでいるつもり」でも、スマホやSNSで脳を酷使していれば、回復は起きていないのです。



3.成長に必要なストレスとは何か


筋トレを行うと、筋肉に負荷(ストレス)がかかり、次回同じ負荷にも耐えられるように筋肉が強く成長します。これは一般的に理解されていることだと思います。


実際、数学やチェス、あるいはプレゼンテーションなど、肉体的でないスキルにも、ストレスは重要です。


ある研究では、生徒を二つのグループに分けて難しい問題を解かせたところ、すぐに先生から助けを得たグループよりも、全く助けを得られなかったグループのパフォーマンスが良かったという結果が出ました。


では、成長に最適なストレスのレベルはどれくらいなのでしょうか?


manageable stress - ぎりぎり対応できるくらいのストレス


が成長には不可欠だと言われています。


時間を忘れて集中する状態を「Flow (フロー)」と呼びます。実際、このフロー状態に入るにも、ぎりぎり対応できるくらいのストレスが必要とされています。


簡単すぎず、かつ難しすぎないバランスが重要です。




4.脳のシステム1とシステム2

脳のシステム1と2

私たちの脳のシステムには大きく分けて二つあると言われています。本「Thinking Fast and Slow (日本語版:ファスト&スロー:あなたの意志はどう決まるのか?)で紹介されたコンセプトです。


システム1

・何も考えずにオートパイロットできる行動や直感・反応 

・省エネ

・例、利き手で歯を磨く、3+2=に答える


システム2

・集中を要する行動や判断 

・エネルギー消費大

・例、利き手でない方でドリブルする、難しい問題を解くなど


もちろん成長に必要なストレスはあなたの脳がシステム2を使っている時です。


1日の中でどのくらいシステム2を使う行動をしていますか?


システム2を使う時間を意識的に設けることで、脳の神経系を鍛えることができます。





5.ストレス・失敗をポジティブにとらえる

ストレスは成長に必要不可欠なことである以外にも


「ストレスの秘密」で学んだように、ストレスは私たちに多くの利益をもたらしてくれます。


しかし、これもあなたがストレスをポジティブに捉えるかどうかで大きく変わってくるようです。


今後はプレゼンで失敗をしても、「生産性のある失敗」と考えるようにしましょう。



6.マルチタスキングを避ける

マルチタスキングを避ける

マルチタスキングができる人は、生産性が高い。

そう思われがちですが、実際には私たちの脳は同時に複数のことを処理できるようにはできていません


「ミーティングに参加しながら資料を作れる」という感覚も、実は脳が一瞬ごとにタスクを切り替えているだけです。

スポットライトを当てる対象を、気づかないほどの速さで行き来させているイメージに近いでしょう。


この状態では、フローに入りにくくなるだけでなく、

「注意残余(attention residue)」と呼ばれる現象が起きます。

前のタスクへの注意が次の作業に持ち越され、集中力が分裂してしまうのです。


研究では、マルチタスキングを常に行う人ほど、情報処理能力や長期的な記憶力が低下することも示されています。



成果を出す人ほど「一つに集中する」


『最強の成長術(Peak Performance)』で紹介されていた印象的なエピソードがあります。

成功したベンチャーキャピタリスト、Dr. Bob Kocher氏は、非常に多忙で家庭も持ちながら、高い成果を出し続けていました。


その秘訣を問われた彼の答えはシンプルです。

「1日をタスクごとに区切り、その時間は一つのことに全集中する」


著者は彼との会話について、

「まるでアメリカの総理大臣と話しているかのように、完全にこちらに集中していた」

と表現しています。



タイムボクシング


タイムボクシング

マルチタスキングを避けるために、私自身が取り入れてよかったと感じているのが

タイムボクシングです。


あらかじめ時間を区切り、その間は一つのタスクだけに集中する。

このシンプルな方法だけでも、集中の質と仕事の満足度は大きく変わりました。


タイムボクシングの特徴としては、成功の基準が「タスクを完了したか」ではなく、「予定された行動が出来たか」であることです。


タイムボクシングについては、詳しくは別の記事で紹介していますので、興味があればそちらも読んでみてください。





7.ストレスへの反応をコントロールする

ストレスへの反応をコントロールする

ストレスを減らすことは難しくても、ストレスにどう反応するかはコントロールできるとしたらどうでしょうか。


『最強の成長術』では、その鍵として脳の二つの部位が紹介されています。

前頭前皮質(Prefrontal Cortex)扁桃体(Amygdala) です。



前頭前皮質は、人間の脳で最も発達している部位で人間を他の動物から差別化できる部位。

ストレス反応を抑制したり、個々の性格の発達、決断を下すのもこの部位です。思考を司どります。


扁桃体は、脳の中で最も発達が劣っている部位で実験用マウスなどの動物の脳にもある部位。

感情を司る部位で、ストレス反応を引き起こすのもこの扁桃体なのです。


ストレスによる悪影響が起きる時は、この扁桃体が脳をハイジャックした状態です。


身体中の至るところにストレスによる悪反応を起こさせます


しかし、前頭前皮質を鍛えることで、扁桃体が脳をハイジャックすることが防げるようになります。


その代表的なトレーニング方法が、瞑想・マインドフルネスです。


瞑想・マインドフルネス
photo by unsplash

Wisconsin Medicineが行った実験では、瞑想上級者と瞑想未経験者にとても熱いワイヤーを脚に近づけてその反応を観察しました。


「あつっ」という反応は一緒だったのですが、その後の反応は全く違うものとなりました。


fMRIを使って観察すると、実験の残り時間、未経験者の扁桃体が活発な状態のままになっていることが観察できました。


しかし、経験者の脳は最初の「あつっ!」で扁桃体の活動が収まったのです。


まるで、脳が痛みという感覚を感じるのことを選ばなかったように。



実はこういった効果は、瞑想上級者以外にも、エリートランナーでも観察できることのようです。


photo by Gdynia Ultra Way
photo by Gdynia Ultra Way

とても激しいトレーニングをしていていも、「このトレーニングで痛みや疲れをきっと感じるけど、大丈夫。それは当たり前のことだ。」と自分の脳を説得したような状態です。



私は毎日の冷水シャワーと週一の寒中水泳を習慣化しておりますが、こういったトレーニングも「前頭皮質を鍛えるトレーニング」になっていると信じます。


バルト海で寒中水泳をする人々
バルト海で寒中水泳をする人々

寒い!と感じるのですが、「大丈夫!冷たいのは最初だけ。」と意識的に体に言い聞かせる。これを毎回行う必要があるからです。


そして、回数を重ねるごとに自分が体の反応をコントロールできる感覚を少しずつ体験することができます。


冷水シャワーの美学については、以下のブログ記事でもっと詳しく書いています。




8.リカバリー

リカバリー

多くの人が、リカバリー(休養)の重要性は理解していると思います。

では実際に、私たちはどのように脳と体を回復させているでしょうか。


仕事の合間や休日に、インスタグラムを眺めたり、YouTubeを何本も見たりして「休んだつもり」になっていないでしょうか。


実はそれらは、脳にとっては回復ではなく、別の刺激でしかありません。



回復を担う脳の仕組み「DMN」


『最強の成長術』で紹介されている重要な概念が、DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)です。


DMNは、シャワーを浴びているとき、散歩をしているとき、あるいは何も考えずにぼーっとしているときに活性化する脳のネットワークです。


実はDMNは常に存在していますが、数学の問題を解いたり、仕事に集中している間は、

思考を司る神経系に押し出され、表に出てきません。



なぜ「ぼーっとする時間」が必要なのか


ぼーっとする

DMNが活性化すると、脳は次のような状態になります。

・過去の経験や知識に自由にアクセスできる

・情報の整理や意味づけが進む

・創造的なアイデアが生まれやすくなる


机に向かって必死に考えても出てこなかったアイデアが、シャワー中や散歩中に突然ひらめく経験はありませんか。

それは、DMNが働いている証拠です。


一方で、DMNが過剰に働くと、

ネガティブ思考に陥ったり、自分の世界に閉じこもることもあります。


ただし、現代人の問題はその逆で、

DMNに浸る時間が圧倒的に少なすぎることだと本書では指摘されています。




今日からできるリカバリー習慣


おすすめされているのが、

50分作業+8〜15分の休憩というリズムです。


この休憩時間に重要なのは、

「集中力を必要としない行動」を選ぶこと。


たとえば、

・短い散歩に出る

・立って外の景色を眺める

・洗濯物をたたむ

・コーヒーを淹れる


といったシンプルな行動で十分です。


スマホやSNSから一度距離を置き、

意図的にDMNが働く余白をつくること。

それが、次の集中と成長につながるリカバリーになります。




やりがい

バーンアウトせずに継続的に良いパフォーマンスを維持し成長し続けるためには、ストレスとリカバリー意外にも注目すべきポイントがあります。


それがやりがいです。生きがいと同様に世界的にも注目されるようになった日本の概念です。


特に、他の誰かや社会・動物・自然のためなど、自分を超えた何かのためにやりがい(目的)を持つことが鍵となります。


長期休暇というのが、これまでのリカバリーの王道だったかと思います。しかし何ヶ月も休暇を得ることが現実的に難しいパターンが多いです。


そんな時に、やりがり・自分を超越した目的をもつことで、同じような効果を得ることができるかもしれません。




私たちの脳は、恥ずかしい経験や怪我、痛みから私たちを守ろうとします。痛みや疲れ・心配な気持ちになったりするのは、脳がそのように仕向けているだけなのです。


つまりは、筋肉の痛みを感じていたとしても、それは脳が作り出したこと、ということです。


この脳のプログラミングを、やりがいを持つことで書き換えることができるのです。



アメリカのアリゾナでびっくりするようなことが起きました。


ウェイトリフターでもない一般的なアメリカ人男性のTomさんは、18歳の青年が車の下敷きになっているのを発見しました。


それを見たTomさんは、すぐさま車の端を素手で持ち上げ青年を救出したのです。


”この青年を救いたい”この自分を超越した何かのために、という目的からオリンピックのウェイトリフティングの記録を更新する重さを持ち上げてしまったのです。



では実際にこのやりがい・自分を超越した目的をもつことをどう仕事に活かすことができるのでしょうか?



Give back to get back

 私がNZのホテルでレセプショニストとして働いていた時のことです。


働き始めの頃は、覚えることも多く、毎日多くのゲストと対応することができ、楽しんで仕事をしていました。


ところが、2年目に入るとそのフレッシュさもなくなり、同じ業務の繰り返しに飽きてしまいました。


そんな時に、新しいスタッフのトレーニングを任されることになりました。


まだ何も知らない新スタッフに、どうしたらうまく伝えることができるだろうか?


常に考えるようになりました。慣れてしまい、すこし雑になっていた業務も、新スタッフに教える身なのでしっかりしなきゃと、気が引き締まりました。


他の古株スタッフからも教育を受けていた彼女が、「Tak(私)からのトレーニングが一番わかりやすい」と言ってくれたことがとても嬉しかったと覚えています。


そんなこともあり、仕事に行くのがまた楽しみになるようになりました。



もしあなたの部下が仕事になれてきて、モチベーションを失っているように感じてしまったら、あえて誰かのメンターにしてあげるのも良い手段かもしれません。


そのgive back する内容は、メンターやコーチングなど大掛かりなものである必要はありません。


インターネットの掲示板にアドバイスを投稿したり、その程度でもいいのです。




目に見えるところに"やりがい"を感じるリマンダーを置く

 はたまたホテルで働いていた時の話ですが、レセプションの業務の中でもつい嫌になっちゃうのが、同じ質問に何度も何度も答えなければいけない、ということです。


電話での予約応対もしていたのですが、基本的にみんな同じ質問をしてきます。


働いてる側としては、「そんなのウェブサイトに書いとるやん!」とイラっとして答えてしまうことがあります。特に忙しい時なんかは。


そんな時に役にたつのが、ゲストからの心のこもったレビューやお手紙です。


「人生で一番思い出に残るステイになりました。ありがとう!」


「期待通りの素晴らしい結婚記念日になった!」


「ずっと来たかったマウントクックにやっとこれて感激。」


このようなコメントを常に自分のみえるところにおいておくことで、


「自分はただ質問に答えているだけじゃない。ゲストの一生の思い出を作っているんだ!」


とリマインドをすることができます。


そうすることで、つい雑になってしまう業務でもやりがいを感じて行うことができるのです。



同じようなアイデアが、単調に聞こえてしまう仕事のタイトル、例えばハウスキーパーなどを別の呼び方で呼んだりすることがあります。


スタバなんかも、スタッフではなくパートナーと呼びますよね。

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ポーランド在住のリモートワーカー。過去にハワイ、シンガポール、ニュージーランド、バリにも住んだ経験あり。

​「チルライフinポーランド」では主にポーランドについて、旅行について、ライフハックについて、書いていきます。よろしくお願いします。

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