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ポーランドで歯列矯正を始めて1年|費用・保険・通院の実態を日本人が解説

執筆者の写真: Takuya Sakoda
Takuya Sakoda
13 分前
読了時間: 6分
ポーランドの歯列矯正
歯列矯正の装置を付けた歯の模型
1年ちょっと前から、現地で歯列矯正を始めた。日本では一度も勧められなかったのに、ポーランドではどの歯医者に行っても「矯正しないと老後に歯が抜ける」と言われたのがきっかけだ。この記事では費用・保険・通院の実態から日本との違いまで、体験をそのまま書いてみた。

1.矯正を始めた背景|ポーランドでことごとく勧められた

日本にいたころ、歯医者に「矯正したほうがいい」と言われたことは一度もなかった。

ところがポーランドで定期検診に行くと、どの歯医者でも口をそろえて「このままだと老人になったときに歯が落ちるわよ」と言われた。さすがに呪文のようにどの歯科医にも言われると、これはやった方が良さそうだなと決意することに。

ちなみに、日本では注意されたことがないがヨーロッパで注意されて歯科矯正をした、という人は多いそうだ。ヨーロッパに住む日本人あるあるなのかもしれない。



2.矯正歯科を探す|最初の壁は「アジア人の顎」

ポーランドの街並み

矯正を決めてから最初に苦労したのが、医師探しだ。西洋人とアジア人では顎の骨格が違うため、アジア人の矯正に対応できる医師がそもそも少ない。いくつか当たったが、「ここではアジア人は診られない」と断られることもあった。最終的に、地元の歯医者が紹介してくれた矯正医のところで診てもらえることになった。


さらに、ポーランド語で歯科矯正手術を受ける自信がなく、英語OKな歯科医であることも条件だったが、この点に関しては多くの歯科医は英語OKなので問題にはならなかった。


その結果、「Medicover」という病院・クリニック・検査ラボを運営する民間医療機関の矯正歯科医に担当してもらうことになった。ちなみに、ポーランドの場合は医師は複数の医療機関で勤めているようで、私の矯正歯科医も別のクリニックでも働いていた。最初はそちらのクリニックでも診察を受けていたが、自分の家から近い「Medicover」での受診に変えてくれた。



3.治療プランの選択|抜歯あり vs 抜歯なし

初回の診察で、医師は2つのプランを用意してくれた。


プランA

プランB

抜歯

あり

なし

特徴

歯を抜いてスペースを作る

マイクロミニインプラントを使う

注意点

健康な歯を失う

うまくいかない場合は結局抜歯になる可能性がある

マイクロミニインプラントとは、歯を引っ張るときの「土台」にする小さなネジのことだ。上下2本ずつ、合計4本を歯茎の骨に固定する。

私はなるべく歯を抜きたくなかった。医師もプランBを勧めてくれたので、抜歯なしで進めることにした。



4.寄り道|歯周病専門医のセカンドオピニオンと歯茎の手術

プランが決まったあと、医師から「歯茎が心配だから、歯周病の専門医にもセカンドオピニオンをもらってきてほしい」と言われた。正直、最初は面倒でさらに費用がかかるので嫌だなと思った。

専門医に診てもらうと、歯茎が下がっている箇所があることが分かった。矯正で歯を動かすと、さらに歯茎が下がるおそれがある。そこで矯正の前に、歯茎を強くする手術を先にやることになった。

手術は、下がった歯茎を覆う処置(recession coverage)と、歯茎を移植して厚みを補う処置(grafting)を数回受けた。費用も高く、大変だった。それでも、矯正を始めてから歯茎のトラブルが出ていないので、先に確認してもらってよかったと思っている。



5.ポーランドでの矯正治療|費用はいくら?

気になる人が一番多いのが、費用の話だと思う。私の場合は次のとおり。

・矯正本体:上下それぞれ約7,300PLN(合計約14,600PLN、日本円で約60万円弱)

・毎月の通院(コントロールビジット):1回329PLN(日本円で約1万3千円前後)

・3か月に1回のクリーニング:日本円で1万円ちょっと(歯石除去や軽いホワイトニング込み)

このほかに、歯茎の手術の費用が別途かかった。

治療期間が2年(通院24回)だと、通院費だけで約7,900PLNになる計算だ。矯正本体と合わせると、総額は思っている以上にかかると感じている。

※日本円は為替レートによって変わるため、執筆時点の概算。



6.保険は使える?|ポーランドの医療事情

結論から言うと、ポーランドの公的医療保険(国民保険)は矯正には使えない。

そもそも、公的保険で通う医療機関は予約待ちがとても長い。3〜4か月待つのは普通で、診療内容によっては1年近く待つこともある。やっと順番が来ても、15分しか話を聞いてもらえないことも多い。

そのため、多くの人が自費の民間クリニックを選んでいる。待たなくていいし、結果的に早いからだ。私も民間の医療サービスであるMedicoverで矯正を受けている。

もちろんポーランドの会社に雇用されている人は、会社の保険などがあるのでそちらを利用するといいだろうが、私はフリーランサーなのでそういったわけにもいかず。


日本の医療制度の良さを、ポーランドに来てあらためて実感した。



7.実際の治療生活|月1回の通院と食事

通院矯正中は月に1回、コントロールビジットと呼ばれる定期通院がある。ワイヤーの交換や調整をしてもらう日だ。治療開始から約15か月が経った。期間は全体で2〜3年と言われていて、2年で終わるといいなと思っている。今のところ順調だ。

痛みはどれくらい?・マイクロミニインプラントを入れる手術の翌日は、痛みがあった・ワイヤーを交換した日は、食べるときに少し痛い程度

思っていたより、日常生活はそんなに大変ではない。

食事1年目は上の歯だけの矯正だったので、ナッツなども食べていた(本当はやってはいけないと思う)。ところが下の歯は噛む力がかかりやすいのか、ミニスクリューが何度か外れた。今は以前より慎重に、固いものはなるべく避けて、前歯を使うように気をつけている。



8.日本との違いQ&A

Q.設備は最新?とてもモダンだ。一度、日本製の器具を見せられて「日本から取り寄せた」と言われ、さすが日本だと思った。

Q.ポーランドの歯医者の数は?とても多い。肌感は日本以上。

Q.ワイヤーとマウスピース(インビザライン)はどちらが主流?インビザラインは透明なマウスピースを段階的に交換して歯を動かす方法で、自分で取り外せるのが特徴だ。私の場合は医師からマウスピース型の提案は特になく、最初からワイヤー式(セラミック製だと思う)で治療を進めている。歯並びによって向き不向きがあるので、気になる人は医師に相談してほしい。

Q.ポーランドの人は矯正に積極的?アメリカのように「みんな歯がきれい」というほどではない。ただ、経済が成長して余裕のある人が増え、子どもの矯正も多い。私の担当医もとても忙しそうなので、需要はあるのだろう。

Q.旅行中に歯が痛くなったら?救急番号があるほか、近所のクリニックも旅行者をビジターとして診てくれる。私の近所のローカルな歯医者では、問題がなければ定期検診は無料だった(あくまで私の個人的な体験)。

Q.ホワイトニングは?3か月に1回のクリーニングで、歯石を取るついでに軽いホワイトニングも入る。日本円で1万円ちょっとだ。



9.まとめ

ポーランドでの歯列矯正は、医師探し・費用・保険の3つが最初のハードルだった。ただ、民間のクリニックを選べば待ち時間は少なく、治療自体は順調に進んでいる。これから海外で矯正を考えている方の参考になれば嬉しい。

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